在学生さんのひとりごと | 2025年5月10日
執筆テーマ:学業執筆者:(理工修士1回生)兵庫のK
立命館大学大学院に進学する僕が院進を決めるポイントを幾つか紹介しようと思います!
3回生に入ると進路について考える必要があり、インターン(就職活動)・進学に向けた選択が始まります。 大学院進学には多くのメリットとデメリットがあるため、後悔しない選択をするためにも是非チェックしてみてください!
大学と大学院はどちらも高等教育機関ですが、その目的や学びの内容、教育の深さにおいて明確な違いがあります。
◎大学では、進学した学部・学科に応じた幅広い教養と専門的な基礎知識・技術を学びます。簡単に分けると、1・2回次では基礎教育科目が中心で、専門分野にとらわれず多角的な視野を養います。
3・4回次で専門分野に特化した講義やゼミに参加し、卒業論文の執筆などを通じてより深い専門知識と論理的思考力を身につけます。
つまり、大学の目的は、専門性だけでなく社会に出てから必要とされる汎用的なスキルや教養を備えた人材を育てることにあります。
この4年間を通して社会に出て働き、活躍する準備を行うわけです。
◎対して大学院では、自ら研究テーマを設定し、先行研究を踏まえた上で独自の研究を行います。特に修士論文の執筆は、研究成果を論理的にまとめ、学術的価値を示す重要な活動です。
大学院の講義はかなり高度で、専門分野における先端知識や技術の習得が求められます。研究者や専門職(大学教員、研究機関の研究員、高度な専門技術者など)を目指す場合は、大学院での研究が不可欠です。
つまり、大学院の目的は大学より高度で深い知識・技術を極め、自分の専門性を高めることにあります。
大学を卒業すると学士号(Bachelor)が、大学院を2年(博士前期課程)で卒業すると修士号(Master)が取得できます。ちなみに、修士号取得後さらに3年間(博士後期課程)在学し修了すると博士号(Doctor)が取得できます。
このレベルまでになると、その研究分野のプロフェッショナルとして扱われ、大学教員になる選択肢が生まれます。
大学院進学によるメリットとして一番に挙げられるのが、社会的な評価の向上です。情報系や機械系では修士号を取得していることを前提に採用を行う企業があり、収入も上がります。
学部卒が現場のオペレーションを担当するのに対し、大学院卒は技術開発や設計、品質管理といった中核業務に携わることが多くなっています。
立命館大学の理系学生はその半分近くが院進学を選択するため、希望企業・業種によっては、就活の際に大学院を出た人と競い合うことになります。
自分の進みたい企業と、検討している研究室の卒業メンバーの就職先を確認して擦り合わせることが大事です。
大学と大学院の違いとして挙げた専門性を高められる点も大きなメリットです。
例えば、化学系の学生が大学院に進学し、有機合成化学の研究室に所属した場合、自分が開発した分子構造が新薬の候補化合物となり、製薬企業と共同研究を行うこともあります。
学部では基礎を学ぶにとどまることが多いですが、大学院では最先端の技術や知識に触れながら、自分自身が知の創造に関わる実感を得ることができます。
誰も試したことがない研究を一歩一歩進めていく作業は大変ですが、成果が出た時や発表がうまくいった時の達成感は中々味わえないものになります。
自分のオリジナルな研究を進める楽しさ、研究内容を説明する能力を身に付ける過程、大学院では他で体験できない多くの学びがあります。
大学院は人脈形成の場としても非常に有効です。大学院では少人数のゼミや研究室が中心となるため、同じ志を持つ仲間との関係が深まり、卒業後も学会や仕事の場で協力する関係が続くことがあります。
加えて、学会や国際会議での発表を通じて海外の研究者や企業の方とつながる機会も得られます。
実際に、自分も海外の研究者と共同研究を行い、連絡を取りながら進めている研究テーマがあります。英語でのコミュニケーションがほとんどで上手くいかないことも多いですが、とても有意義な日々を過ごせていることを実感しています。
しかし大学院に進学するうえで絶対に見逃せないのが学費です。
立命館大学の場合、大学院の学費は学部より安くなりますが、理系学生の場合、専攻にもよりますが2年間で約100-300万円かかります。
また、学部卒の同級生と比べると2年遅れて社会に出ることにもなります。
「周りも進学するから」、「就職したくないから」、大事な感覚ですが自分自身をよく見直して考える必要があります。自分の目的が達成できる研究室に入れること、納得できる理由があるかが重要です。
このように大学院進学には、コストの制約と引き換えに多くのメリットがあります。
自分の場合、機械工学科出身で半導体工学系の研究室にそのまま内部進学しました。院進学を決めた最も大きい理由は、学部卒のまま就職しても自分が目指す分野で活躍できるとは思えず、研究し専門性を高めてから就職したかったからです。
学部時代は学費の高さに疑問を抱いていましたが、研究室に配属され機械や材料を使い始めてからその高さに納得しました。
大学院では研究すればするほど充実した日々を送ることができ、おそらく学部よりも濃い2年間になると思います。
大学院進学と就職は人生の中で最も重要な選択の一つです。これを見ていただいた皆様が後悔のない選択ができることを祈っています!